2008年上半期ガバナンス回顧(2) TCIのJパワー株買い増しに中止命令

外資排除を疑われない資本市場の在り方が平時より問われている。

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2008年07月10日

  • 藤島 裕三

サマリー

◆5月13日、TCIがJパワー株を買い増すため、外為法に基づいて行った届出に対して、政府は中止命令を発した。6月の株主総会における株主提案も、全て否決されている。

◆今回の政府判断に限れば、国のエネルギー政策に関わる面は否定できず、短絡的に間違った措置とはいえない。ただし投資環境に対する悪影響は少なくないかもしれない。

◆買収防衛策の増加や株式持ち合いの復活など、「外資排除」を疑われる昨今の事象にこそ問題がある。平素から株主重視の姿勢を徹底しておくことが、何よりも肝要だろう。
 

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