2021年08月10日
サマリー
◆総務省の「2019年全国家計構造調査」によると、29歳以下と30~34歳の有価証券保有比率は、前回2014年調査に比べて大きく上昇した。また、つみたてNISAの口座数に占める20~30代の割合も年々上昇している。これまで預貯金以外の金融資産の蓄積が進まなかった若年層において、証券投資に対する前向きな姿勢が出始めている。
◆若年層の証券投資を後押しする主な要因として、(1)少額投資のための税制優遇制度、(2)老後不安の高まりと将来への備え、(3)投資エントリーの好機となった新型コロナ禍、(4)インターネット証券会社の手数料引き下げ競争、(5)存在感を増すスマホ証券という新たな投資チャネル、の5つが挙げられる。
◆今後の若年層の資産形成を巡る論点として、少額投資では将来的に目標とする金融資産額になかなか到達しにくいことや、長期的な積立投資を通じたリスクの時間分散効果を図ることなどが挙げられる。スマホ証券については、ビジネスの持続性という点から、マネタイズ(収益化)の問題が最大の焦点となる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
新型コロナ下での家計金融資産の動向と2021年の展望
「つみたてNISA」の成功体験が家計の長期資産形成の追い風へ
2021年01月04日
-
ライフサイクルで紐解く、「貯蓄から資産形成へ」の推進策
『大和総研調査季報』 2021年新春号(Vol.41)掲載
2021年01月13日
-
若年層の資産形成をいかに促すか
~若年層の投資への姿勢と投資優遇税制、テクノロジー~『大和総研調査季報』2019年秋季号(Vol.36)掲載
2019年10月23日
-
キャッシュレス新時代の扉を開くための6つの鍵
「トリプル・ウィン」の精神で全体最適の実現へ
2019年05月22日
同じカテゴリの最新レポート
-
大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴
過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在
2025年04月15日
-
大和のクリプトナビ No.1 暗号資産価格の歴史的推移
需給の影響を受けやすく、足元では政策や機関投資家の動きも影響
2025年04月10日
-
「職場つみたてNISA」の仕組みと導入意義
ファイナンシャル・ウェルビーイングの向上も期待
2025年03月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日