2026年06月26日
サマリー
◆会社と株主・投資家との建設的な対話が拡大する中、会社において実質株主(議決権の行使について指図権限を有する者)を把握するための制度は、大量保有報告制度を除いて設けられていない。会社は総株主通知によって定期的に株主を把握しているが、名義株主が議決権行使指図権限を有しない場合など名義株主と実質株主が一致しない場合も少なくない。
◆近年、会社が実質株主を把握するための制度の創設に向けて、複数の審議会・研究会で議論が重ねられてきた。2026年3月に法制審議会-会社法制(株式・株主総会等関係)部会が公表した「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」(以下、中間試案)では、実質株主確認制度として二つの制度の創設が提示されている。
◆中間試案では、EUの制度を参考にした「株式会社から実質株主を確認する制度」と、実質的には金融商品取引法に基づく大量保有報告制度違反に対して会社法上の制裁を科す「株主側から株式会社に対する通知を義務付ける制度」が提示されている。これらの実質株主確認制度の創設に向けた制度設計について、引き続き議論が進められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
会社法制(株式・株主総会等関係)中間試案の概要
2027年の会社法改正法案提出に向けて
2026年04月27日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 会社法の改正に関する報告書
従業員等への株式の無償交付、株式対価M&A、実質株主の把握など
2025年02月04日
-
公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループの報告
市場内取引(立会内)も公開買付規制の対象へ
2024年01月05日
-
金融審議会、次の重要テーマ 公開買付け、大量保有報告見直しの論点
2023年04月17日
同じカテゴリの最新レポート
-
外為法の投資審査制度の見直しの動向
情報通信技術関連業種の一部を審査対象から除外する見込み
2026年07月16日
-
インターネット取引での適合性確保
金融審議会報告にて「今後検討を深めていくべき課題」と明記
2026年07月15日
-
投資信託へのプライベートアセットの組入れ
制度設計上の論点と欧州・長期投資ファンド(ELTIF)からの示唆
2026年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

