金融審議会、次の重要テーマ 公開買付け、大量保有報告見直しの論点

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サマリー

◆2023年3月2日に開催された第51回金融審議会総会・第39回金融分科会合同会合において、金融担当大臣より「公開買付制度・大量保有報告制度等のあり方に関する検討」が諮問された。

◆公開買付制度・大量保有報告制度等に関する具体的な課題としては、①公開買付制度における市場内取引の取扱い、②義務的公開買付けが発動する閾値、③「強圧性を解消・低減させるための方策」としてのいわゆる「全部買付義務」の取扱い、④スチュワードシップ・コードに基づくエンゲージメントとの関係における「重要提案行為等」や「共同保有者」の取扱い、⑤「実質株主」の確認、などへの関心が高いようだ。

◆今後、これらの課題を中心に、金融審議会の下に専門のワーキング・グループが設置され、審議を進めることが予定されている。いずれも重要な問題であることには異論はないが、解決は容易ではないだろう。実務と理論の両面から地に足の着いた、バランスの取れた議論が行われることを期待したい。

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