2026年07月16日
サマリー
◆2026年5月29日、外国為替及び外国貿易法(外為法)の改正法が可決・成立した(同年6月5日公布)。改正法は、同年1月に、財務省に設置された関税・外国為替等審議会が公表した答申に基づき「対内直接投資審査制度」を見直すものである。原則として公布から1年以内に施行される。
◆対内直接投資審査制度は、外国投資家が、安全保障等に関連する一定の業種(指定業種)を営む日本企業に投資する場合に、原則として日本政府への事前届出を求め、審査の対象とするものである。
◆改正法により、日本企業の親会社である外国企業を他の外国企業が買収する「間接保有」が審査対象へ追加され、リスクの大きな外国投資家が関与する場合の扱いが厳格化される。一方、リスクの相対的に小さい場合が審査対象から除外されるほか、財務省及び事業所管省庁が安全保障関連部局等と協力して審査を行う、いわゆる「日本版CFIUS」の創設も盛り込まれている。そのほか、下位法令の改正により、指定業種から、情報通信技術関連業種の一部が除外される見込みである。
◆本制度に関しては、2026年4月にアジア系の投資ファンドによる牧野フライス製作所の株式取得に対して中止勧告がなされたことを受け、どのような場合に中止勧告がなされるかが注目されることとなった。これを受け、財務省は外国投資家の予見可能性の確保等のため、一定の場合に勧告、命令を行ったことを対外的に説明、公表する方針を明らかにしている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
外為法の対内直接投資審査制度のポイント
安全保障関連の上場会社株式の1%以上の取得には、政府の事前承認が必要
2021年04月15日
-
外為法の対内直接投資審査制度の改正案
中国関連組織が投資する場合を念頭に、審査対象となる範囲を拡大
2025年03月26日
同じカテゴリの最新レポート
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
株主提案制度への関与を縮小する米国SEC
日本でも会社法改正の中で株主提案権の見直しを検討中
2026年08月20日
-
EUにおける株主確認制度
SRDⅡ(EU第二次株主権利指令)に基づく株主調査の概要と課題
2026年08月07日
最新のレポート・コラム
-
利用広がる議決権パススルー
投資信託のリテール顧客による議決権行使の選択が現実のものに
2026年10月26日
-
日本版米国型AWMビジネスモデルを創出するための条件
~投資銀行型と商業銀行型の比較~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
次世代の「地域金融の課題と競争のあり方」
~最新データに基づく地域銀行の競争可能性の再試算~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
マル優・NISA等の非課税制度が家計金融資産に及ぼした影響の長期分析
~家計の国債保有優遇策の検討に向けた政策的示唆~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
子どもが幼いうちは子育てに専念したい世帯にも目配りを
2026年10月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

