サマリー
SDGsの目標13は、気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じることを掲げています。金融セクター(金融市場の参加者や、銀行・保険会社などの金融仲介機関)にとっては、気候関連リスクを正しく評価することの重要性が高まっています。例えば、将来、気候関連リスクが顕在化したときに、投融資先企業の財務状況が悪化し、企業価値が低下することが考えられます。これにより、金融機関が保有する株式や債券などの資産価値が大きく毀損し、金融システムの不安定化を招く危険性があるためです。これを踏まえ、気候関連のリスクや機会を企業の財務情報と関連付けて開示する枠組みがTCFDの最終報告書で示されました。TCFDのフレームワークに沿って開示する企業が増えれば、金融セクターは気候関連の影響を織り込み、気候変動などによるショックを緩和できると考えられます。これにより、金融システムの持続性と金融市場のサステナブルな成長の実現が期待されます。
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