日本経済見通し:2026年7月

高市政権初の「骨太方針」を読む

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2026年07月24日

サマリー

◆高市早苗政権初となる2026年度の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2026)が閣議決定された。看板政策である危機管理投資・成長投資について、累計370兆円超の官民投資の想定額を6つの領域に整理すると、「AI・デジタル」領域が全体の約半分を占めるなどメリハリが一定程度利いた姿になっている。財政運営面では、「国・地方の総債務残高対GDP比の安定的低下」を財政運営目標の中核に位置付け、基礎的財政収支(PB)は「債務残高対GDP比の低下に向けて確認する指標」に見直した。

◆骨太方針2026では、内閣府が試算した3つのシナリオのうち、成長率が最も高い「成長戦略実現ケース①」の実現を事実上目指している。このシナリオでは毎年度実質10兆円の追加財政支出の下、設備投資の大幅な拡大や、米国を上回る全要素生産性(TFP)上昇率が見込まれており、公債等残高対GDP比は2040年度にかけて低下を続ける。だが、その実現には経済構造の大幅な転換が必要で、不確実性は極めて高い。

◆上記シナリオでも、2030年代半ばには債務の実効金利が名目GDP成長率を上回るようになる。仮にプライマリーバランス(PB)が赤字なら、公債等残高対GDP比は上昇してしまう。成長が加速しない事態などに備えてPBの基調を均衡あるいは黒字化させ、必要な財源を確保するなど、「成長ありき」ではない財政運営を行うことが「責任ある積極財政」だろう。

◆骨太方針2026では現役世代の社会保険料率の引き下げに向け、社会保障負担率の目標を設定する。だが、医療の高度化や高齢化などによる医療費の増加が続く中、社会保険料率の安定化にはこれまで以上に踏み込んだ改革が必要だ。8月上旬までを目途に方針を決定する給付付き税額控除については、「所得に連動したきめ細かな給付」として2029年度に本格導入される見込みだ。「貧困層の貧困化」が進む日本の現役世代向け所得再分配機能を強化する仕組みとして評価されるが、当面の課題は財源の確保だ。

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