骨太方針のポイント③ ~現役世代の社会保険料負担抑制を前面に

8月上旬決定の給付付き税額控除と「つなぎ」消費減税は導入へ

RSS

2026年07月22日

サマリー

◆2026年7月21日、高市早苗政権は2026年度の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2026)を閣議決定した。骨太方針2026では、現役世代の社会保険料率の引き下げを目指し、新たに「社会保障負担率」の目標を設定した。だが、医療の高度化や高齢化などによる医療費の増加が続く中、社会保険料率の安定化は容易ではない。70歳以上の窓口負担の見直しなど、これまで以上に踏み込んだ改革が必要だ。

◆給付付き税額控除とその「つなぎ」の飲食料品の消費減税については、8月上旬までを目途に方針を決定するとの記載にとどまった。前者は、「所得に連動したきめ細かな給付」(所得連動型給付)として2029年度に本格導入される見込みだ。「貧困層の貧困化」が進む日本の現役世代向け所得再分配機能を強化する仕組みとして評価される。飲食料品の消費減税も実施される可能性は高いとみられるが、高所得世帯にも大きな恩恵が及ぶなど費用対効果が悪く、減税分ほど小売価格が下がらない可能性もある。

◆所得連動型給付の当面の課題は財源確保だ。年間数兆円規模の恒久財源が必要とみられる一方、2030年代には財政状況の悪化が見込まれる。現役世代への支援強化と財政の持続可能性を両立させるためにも、社会保障給付の重点化・効率化や応能負担の徹底などを進めることが重要だ。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート

同じカテゴリの最新レポート