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日本経済中期予測(2017年2月)

非連続的な世界の変化を前に、日本は何をすべきか?

2017年02月06日

経済調査部 シニアエコノミスト 近藤 智也

経済調査部 主任研究員 溝端 幹雄

政策調査部 研究員 石橋 未来

笠原 滝平

経済調査部 研究員 山口 茜

経済調査部 研究員 廣野 洋太

サマリー

◆大和総研では日本経済中期予測を1年ぶりに改訂し、今後10年間(2017~2026年度)の成長率を、年率平均で名目+1.7%、実質+1.1%と予測する。予測期間前半はプラスマイナスの材料が交錯するが、後半には働き方改革の成果で民間需要が緩やかに成長する。物価上昇率は需給ギャップ改善や原油価格上昇で総じて緩やかに推移するが、日銀のインフレ目標の達成は困難。日銀の積極的な緩和姿勢は大きく変わらないと予測する。


◆世界経済の平均成長率は+3.2%を見込む。Fedは緩やかなペースで引き締めを続けるとみられるが、トランプ大統領の政策次第ではインフレへの配慮から利上げペースを加速させる可能性がある。トランプ大統領の任期4年間は常にリスクを意識せざるを得ず、特に予測期間前半は下振れリスクが多い点には留意が必要であろう。


◆個人消費の回復に向けて懸念すべきは現役世代の貯蓄動機の高まりだ。総資産は減少し、社会保障・雇用に起因する将来不安も大きい。可処分所得が増加しても貯蓄動機に吸収されて、消費は増えない可能性がある。インバウンド消費は為替変動の影響を大きく受けるため、政府の野心的な目標達成の不確実性は高い。地方の魅力発信、体験型消費の促進で、リピーター中心の安定的なサービス消費獲得を目指すべき。


◆労働市場への女性新規参入者数は減少傾向にあり、女性の労働供給の短期的限界が近付いている可能性がある。さらに介護離職も増えており、雇用は必ずしも労働生産性の高い業種へ流れていない。就業抑制の回避や雇用の適切な流動化には、税・社会保障制度改革や介護施設の増設等に加えて、働き方の構造的な変革、例えば働き方の柔軟化をもたらすジョブ型雇用の段階的導入と教育・再分配政策の積極化が不可欠。


◆雇用コストの吸収には高い生産性の実現が必要だが、日本のビジネス環境は相対的に後退。世界最先端レベルの規制・行政改革により日本の1人当たりGDP成長率は1%ポイント強の上乗せが可能。日本はスピード感を持ってビジネス環境の改善を進めるべき。


◆目次

  1. 予測のポイント
    1. 今後10年の世界経済・日本経済
      1. 世界経済見通し
      2. 日本経済見通しの概要
      3. リスクシナリオを考える

    2. 非連続的な変化を前に日本は何をすべきか?
      1. 現役世代の消費と資産
      2. インバウンド:「爆買い」その後
      3. 短期的限界近付く 女性の労働供給
      4. 「介護離職ゼロ」政策を点検する
      5. 生産性の高い業種に人材は流れているのか?
      6. 生産性を高めて非連続的な変化にも耐えるビジネス環境が急務
      7. モデルの概説とシミュレーション


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