2026年08月14日
サマリー
◆ボランタリー・カーボン市場(VCM)は、企業のネットゼロ目標等に対応する需要を背景に大きく拡大してきた。もっとも、足元では森林由来クレジットの信頼性への懸念の高まりなどを受けて需給は調整局面に入り、市場は品質重視へと移行しつつある。
◆VCMでは、供給側が新興国や開発途上国に偏在し、プロジェクト類型や認証プログラムの違いによりクレジットの特性や品質にばらつきがみられる。このため、国際取引を通じて需給を結び付けるとともに、需要側における利用目的や要件を踏まえたクレジットの選別が重要となっている。
◆国際取引の活性化には、高品質クレジットの効率的な調達を支える取引インフラの構築が求められる。海外および日本で取引インフラの整備が一定程度進展してきたが、今後は各国インフラ間の相互接続が課題となる。
◆一方で、国境を越えたクレジットの流通が拡大するほど、その移転や保有に係る権利関係は複雑化する。このため、ボランタリークレジットの「法的性質」を明確化し、国際取引の法的安定性を高めることも重要な課題となる。
◆今後のVCMは、企業等が求める品質や利用目的に応じたクレジットへ円滑にアクセスできる市場へと発展していくことが重要となる。そのためには、取引インフラの相互接続と法制度面の整備を通じて国際取引を支え、VCMが世界全体の効率的な脱炭素化に果たす役割を高めていくことが求められる。
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