2026年05月27日
サマリー
◆本レポートでは、家計の物価予想を対象に、生成AIを用いた定量的な金融経済シミュレーションの有効性と課題を検討した。
◆具体的には、NIRA総合研究開発機構が実施した「第2回政治・経済・社会に関する意識調査」の個票データから、当社で約2,500人の人物像(ペルソナ)を構築した。そして、このペルソナと経済指標データを生成AIに与え、物価予想に関する質問に回答させて、生成AIが再現した期待インフレ率(以下、「生成AI期待インフレ率」)を試算した。
◆この「生成AI期待インフレ率」と、内閣府の消費動向調査から計算した期待インフレ率との相関係数は、全期間で0.83、知識カットオフ後の期間(生成AIの学習データに含まれない期間)で0.62であった。属性別の再集計も可能だ。年齢や雇用形態等の属性別の傾向は、期待インフレ率の長期的な傾向と概ね合致した。更に、生活満足度別等、内閣府調査にはない切り口でも試算できる。
◆ただし、実験を通じて、注意すべき特性も見られた。具体的には、①水準の完全な再現が難しく、②構造変化に弱い可能性があり、また、③現時点では再現性に関して一定の課題がある。従って、本レポートのような生成AIを用いた定量的な金融経済シミュレーションでは、水準補正や他の分析手法との併用など、特性を十分に理解した上で活用することが重要である。
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