米国、予測市場ETFの市場投入条件を探る

「あらゆるものの金融商品化・ETF化」の流れ、日本にも?

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆米国では、実施まで三か月を切った中間選挙の話題で持ちきりである。中間選挙をめぐっては、その結果を参照する「イベント契約」に投資するETF(予測市場ETF) が、今年2月以降に相次いで申請された。これらの予測市場ETFは、商品設計にまつわる不透明性や懸念を理由に、米国証券取引委員会(SEC)の要請を受けて効力発生が延期されている。

◆その後、SECは、6月30日に、予測市場ETFをはじめ、新規性の高い非伝統的な資産・戦略を組み入れるETF、すなわち‘Novel ETF’について、既存の法規制と登録手続きが適切に機能するかを検討するため、意見募集する文書(SEC文書)を公表した。

◆SEC文書の意見募集は、投資家を保護し、公正で秩序ある効率的な市場を維持するとともに、企業の資金調達を促進しながら、ETFにおけるイノベーションを後押しする方法に焦点を当てている。そのため、SECの基本姿勢は予測市場ETFの全面拒絶ではなく、「どのような構造・条件なら市場投入を認められるか」を探ることにあると考える。

◆SEC文書の意見提出期限は、8月31日である。これはあくまでも規則制定前の段階であり、通常、この後、具体的な規則案に対する意見募集を経て、最終規則の採否に至る。現時点では、予測市場ETFの具体的な承認日程が決まったわけではない。現実的なタイムラインとしては、予測市場ETFの承認に繋がり得る制度変更が起きるのは、早くとも2027年以降だろう。そのため、現在申請中の予測市場ETFのうち、中間選挙関連のものは発効しないことが見込まれる。

◆日本では、金融商品取引法の改正を通じて暗号資産を投資商品として扱う制度基盤が整いつつあり、今後、関連する投信法制や上場制度が整備されれば、ビットコインをはじめとする暗号資産現物に投資するETFが誕生する可能性がある。その先には、予測市場ETFを含め、従来は投資対象とみなされなかった事象や契約まで市場商品に転換する、「あらゆるものの金融商品化・ETF化」の流れが日本にも及ぶ可能性がある。

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