2026年08月17日
サマリー
◆2026年2月に「企業内容等の開示に関する内閣府令」等が改正され(以下、改正開示府令)、2026年3月期の有価証券報告書から「従業員の状況等」に「人材戦略に関する基本方針等」が新設された。当該欄には「連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略」と「従業員給与等の決定方針」等の記述が求められるようになった。
◆「従業員給与等の決定方針」は企業戦略と関連付けた人材戦略を踏まえた内容を記述することが求められている。しかし、TOPIX100の3月期決算81社のうち、そのような記述がなされていたのは約3割にとどまった。改正の意図が企業側に十分伝わっていなかった可能性や、「従業員給与等の決定方針」を「戦略」という枠組みで捉えていない企業が多かったことなどが考えられる。
◆今後の有価証券報告書の人的資本開示に関しては、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の人的資本リサーチプロジェクトをめぐる議論も進んでいる。当該プロジェクトでは投資家が投資先の人的資本に関するリスクと機会について理解する3つの観点として、労働力の構成(composition)、能力(capability)、労働条件(conditions)を挙げている。これらの観点を踏まえ、各社が人的資本に関するリスクと機会を整理し、重要な情報を開示していくことが期待される。
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