2025年05月07日
サマリー
◆本レポートは、島本高志・新田尭之「大和物価センチメント指数開発の試み」(大和総研レポート,2024年12月26日)(※1)で開発した「大和物価センチメント指数」(以下「大和PSI」)について、その詳しい性質を分析した(※2)。
◆第一に、大和PSIは、上昇局面の変動要因(外生的要因:原材料・為替等、内生的要因:人件費等)を特定可能である。また、先行性について分析したところ、外生的要因が主導する場合、大和PSIはコアCPI(除く生鮮食品)に対し約3カ月先行する一方、内生的要因が主導する場合は先行性を持たないか、約1カ月遅行する可能性が示唆された。
◆第二に、大和PSIはCPIとの相関や予測用データとしても、既存の有力先行指標である企業物価指数より良好な結果を示した。また、その他の物価指標である、日銀短観の販売価格判断DIや、家計最終支出デフレータ、CPI刈込平均値とも密接な関係を持つ。
◆結論として、大和PSIは上昇局面における変動要因の特定や、外生的なインフレ圧力の早期把握などに有用である。各種データと補完的に活用することで、物価動向分析の精度向上に貢献し得るだろう。
(※2)本レポートの作成に当たっては、研究前の段階で肥後雅博教授(東京大学)から有益な助言やコメントを頂戴した。ここに記して感謝申し上げる。また、研究中は当社デジタルソリューション研究開発部の栗山太吾氏より、有益な助言やコメントを頂戴した。本レポートに残された誤り等は、全て筆者個人の責任である。なお、本レポート内の所見は全て著者の個人的見解であり、当社の物価見通しを示すものではない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
大和物価センチメント指数開発の試み
CPIとの間に高い相関および先行性を有する指数の開発に成功
2024年12月26日
-
国際学会から見る次世代AIの現在と未来
Andrew Ng教授の描く近未来図と、AAAI-25から知る最新技術動向
2025年04月11日
-
金融経済分析を変える自然言語処理の力② 大規模言語モデルの登場と今後の展望
高い精度や幅広い応用性に魅力も全ての従来手法は代替されないか
2024年11月01日
-
金融経済分析を変える自然言語処理の力① 従来のテキスト分析が与えたインパクト
定性的なテキストを定量的に測る能力などに従来から大きな魅力
2024年09月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
2026年8月機械受注
製造業・非製造業(船電除く)のいずれも2カ月ぶりに増加
2026年10月15日
最新のレポート・コラム
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」における金融経済教育に関する記述
金融経済教育関連に限ると、大幅な拡充は行われない方向性か
2026年10月16日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
成長投資の先にあるもの ~AI時代に問われる「組織能力」~
2026年10月16日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日


