2025年3月消費統計

総じて見れば前月から小幅に減少も、基調は横ばい圏

RSS

2025年05月09日

サマリー

◆2025年3月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は、前月比+0.4%と2カ月連続で増加した。他方、複数の需要側統計を用いて補正した世帯消費動向指数(CTIミクロ)で見た実質消費は同▲1.7%であった。供給側統計である商業動態統計では、CPIの財指数で実質化した小売販売額は同▲1.5%と3カ月ぶりに減少した。需要側と供給側統計の双方を用いて算出された総消費動向指数(CTIマクロ)は同+0.1%であった。総じて見れば、3月の個人消費は前月から小幅に減少したと判断される。

◆4月の個人消費は前月から小幅に減少したとみているが、5月以降は緩やかに増加するだろう。消費回復の鍵は、実質賃金の上昇だ。春闘の結果が賃金に反映され所得環境が改善に向かう点は好材料だ。ただし、トランプ関税が日本の輸出へ打撃を与え、消費が落ち込むリスクがある。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート

同じカテゴリの最新レポート