サマリー
◆若年女性人口の東京圏への移動による出生率の押し下げ幅は20年度までの10年間で0.004と、全国の出生率低下幅の1割未満の寄与にとどまる。東京圏の被保険者(正社員等として働く女性)の出生率は主な人口の流出元である東北などと大差がなく、仕事と子育ての両立という課題が残るためだ。全国の出生率を高めるには、東京圏だけでなく各地域で住民が希望する結婚や出産の実現を阻む要因を解消する必要がある。
◆近年の被保険者出生率の上昇幅は、3世代同居比率や近居比率との関係性がうかがえ、親族間の「互助のケア」と行政による「公助のケア」を両輪で強化する必要があろう。近年の被扶養者(配偶者等の扶養に入る女性)の出生率の低下幅は、所得の低い地域で特に大きい。在宅育児支援により追加的給付を行うほか、地方の生産性向上に向けた取り組みも被扶養者出生率の低下に歯止めをかける一助になろう。
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