サマリー
◆医療保険属性別の合計特殊出生率(TFR)につき、新たに2022年度の推計を行った。
◆被保険者TFRは、民間では2022年度に低下して健康保険組合(健保組合)は1.13、全国健康保険協会(協会けんぽ)は1.04となった。前年度比のTFRの低下は健保組合では3年ぶり、協会けんぽでは7年ぶりである。民間では、これまで女性の就業継続率の上昇につれて、被保険者TFRが上昇してきたが、2022年度は女性の就業継続率がわずかに低下している。引き続き、育児と両立しやすい職場環境の整備が必要であろう。
◆被扶養者TFRの低下傾向は2022年度も継続し、健保組合では7年連続、協会けんぽでは5年連続の低下となった。被扶養者TFRの低下が、日本全体のTFRの低下の大きな要因となっている。
◆少子化対策により日本全体のTFRを引き上げるためには、両立支援により被保険者のTFRを上昇させるとともに、在宅育児の支援など被扶養者のTFRの低下を止めるための施策が必要である。
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