サマリー
◆2023年8月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比+3.9%、振れの大きな項目を除いた実質消費支出(除く住居等)は同+2.2%といずれも増加した。
◆供給側統計である商業動態統計を見ると、CPIの財指数で実質化した小売販売額は前月比▲0.2%だった。複数の統計で補正したCTIミクロで見た実質消費は同▲1.1%、CTIマクロでは同▲0.1%といずれも減少した。総じて見れば、2023年8月の個人消費は前月から小幅に減少したと判断される。
◆2023年9月の個人消費は前月から横ばい圏で推移したとみている。10月以降は緩やかながらも増加基調を辿ろう。賃金上昇率の高まりなどが個人消費を下支えするだろう。他方、物価高の継続は引き続き懸念材料だ。度重なる値上げなどによる消費マインドの悪化が個人消費の回復を遅らせる可能性には注意が必要だ。
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