2022年5月鉱工業生産
中国でのロックダウンの影響が直撃し生産指数は大幅低下
2022年06月30日
サマリー
◆2022年5月の生産指数は前月比▲7.2%と2カ月連続で低下し、市場予想(同▲0.3%、Bloomberg調査)を大幅に下回った。中国でのロックダウン(都市封鎖)を主因に、日本国内で自動車などの減産が相次いだことが背景にあるとみられる。経済産業省は基調判断を「弱含み」に下方修正した。
◆先行きの生産指数は、中国での新型コロナウイルスの感染状況の改善によって上昇基調に転じるとみている。部品調達難などの緩和が日本の生産活動の追い風となろう。他方、中国での再度のロックダウンやウクライナ危機による資源高、半導体不足、欧米での金融引締めに伴う景気減速懸念など、山積しているリスク要因には注視が必要だ。
◆7月7日に公表予定の5月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲1.5ptの101.4、一致CIが同▲2.8ptの94.0(7月1日に公表予定の一般職業紹介状況の結果次第では変更の可能性あり)と予想する。予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2022年05月31日
2022年4月鉱工業生産
輸出の伸び悩みが波及し生産指数は低下に転じる
-
2022年04月28日
2022年3月鉱工業生産
感染状況の改善を受けて生産指数は小幅に上昇
-
2022年03月31日
2022年2月鉱工業生産
自動車工業の回復が想定より弱く生産指数は小幅な上昇にとどまる
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年08月15日
2022年4-6月期GDP(1次速報)
個人消費の増加等で前期比年率+2.2%となるもGDIはマイナス成長
-
2022年08月12日
経済指標の要点(7/20~8/12発表統計分)
-
2022年08月10日
アメリカ経済グラフポケット(2022年8月号)
2022年8月8日発表分までの主要経済指標
-
2022年08月09日
企業に求められる人的資本と企業戦略の紐づけ、および情報開示
有価証券報告書における情報開示は実質義務化?
-
2022年08月15日
日本の感染症対応力は世界18位
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年07月20日
日本経済見通し:2022年7月
感染再拡大を踏まえGDP見通しを改訂/電力需給対策の効果は?
-
2022年07月20日
米国経済見通し 既に景気後退にあるのか
景気後退リスクが高まる「魔の6ヵ月」が控える
-
2022年05月25日
日本のインフレ展望と将来の財政リスク
コアCPI上昇率は2%程度をピークに1%弱へと低下していく見込み
-
2022年06月22日
日本経済見通し:2022年6月
物価高対策の在り方/「新しい資本主義実行計画」を読む
-
2022年06月22日
中国経済見通し:2022年下半期に本格回復へ
景気浮揚のための政策パッケージを発表