サマリー
◆2022年3月の生産指数は前月比+0.3%と2カ月連続で上昇したが、市場予想(同+0.5%、Bloomberg調査)をわずかに下回った。世界的な半導体需要の強さや新型コロナウイルスの感染状況の改善を背景に一部の品目の生産が増加した一方、自動車減産が足を引っ張り、全体で見れば小幅な上昇となった。
◆先行きの生産指数は緩やかな上昇基調にとどまるとみている。国内外で感染状況が改善する一方、半導体不足や中国での感染拡大による部品調達難を背景に、自動車の増産は抑制されるだろう。また、ロシアへの経済制裁による輸入の途絶や輸送費の高騰も下振れリスクとなる。資源高や輸送費の上昇が企業の採算性を悪化させ、生産拡大や設備投資などを抑制する恐れがある。
◆5月11日公表予定の3月分の景気動向指数は先行CIが前月差+0.9ptの100.9、一致CIが同+0.2ptの97.0と予想する。この予測値に基づくと、一致CIによる基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2022年2月鉱工業生産
自動車工業の回復が想定より弱く生産指数は小幅な上昇にとどまる
2022年03月31日
-
2022年1月鉱工業生産
幅広い業種で増産も自動車減産により生産指数は低下
2022年02月28日
-
2021年12月鉱工業生産
資本財生産が減少し生産指数は小幅に低下
2022年01月31日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日