サマリー
◆2021年1月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+6.4%とコンセンサス(同+7.0%)を若干下回った。季節調整値で見ると、8ヶ月連続の増加となった。11月、12月の輸出金額は欧米で実施された新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響で伸びが鈍化したが、1月は前月比+4.4%と前月から加速した。
◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲1.1%と2ヶ月連続で減少した。地域別に見ると、アジア向け(同+4.0%)は増加したものの、米国向け(同▲2.6%)やEU向け(同▲8.2%)はいずれも2ヶ月連続で減少した。1月の輸出数量は欧米向けの輸出が経済活動の制限を受け減少傾向が継続し、アジア向け輸出の増加が全体を下支えした構図だ。ただしアジア向けの輸出には、2月の春節に向けた輸出の前倒しが含まれている可能性がある。2月に反動減が見込まれることを考慮すると、1月も足踏み状態が継続しているといえよう。
◆先行きの輸出は、回復基調に転換するとみている。ただし増加ペースは緩やかなものにとどまろう。欧米ではこのところ新規感染者数が減少傾向にある。経済活動の正常化に向かえば、欧米向け輸出は増加基調に転じるとみている。
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