サマリー
◆2020年12月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+2.0%とコンセンサス(同+2.4%)を若干下回ったものの、25ヶ月ぶりにプラスとなった。輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲3.5%と7ヶ月ぶりにマイナスとなった。地域別に見ると、アジア向け(同+3.2%)は3ヶ月連続で増加したものの、米国向け(同▲7.8%)、EU向け(同▲16.7%)が大幅に減少した。欧米で実施された新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響を受け、輸出は足踏み状態にある。
◆貿易収支(季節調整値)は4,771億円と6ヶ月連続で黒字となった。10-12月期は7-9月期から黒字幅が拡大したため、10-12月期実質GDPの外需寄与度はプラスとなる公算が大きい。
◆輸出数量は2020年10-12月期に大幅に増加したが、2021年1-3月期も緩やかに増加するとみている。地域別に見ると、EU向けはロックダウンなどの影響によって減少するものの、年末に追加の経済対策が成立した米国向けや、経済が好調な中国向け輸出は増加基調を維持するだろう。また、足元では情報関連財や資本財の外需が持ち直しており、短期的には輸出の下支え要因となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2020年11月貿易統計
輸出金額は前月から微減も輸出数量は増加基調を維持
2020年12月16日
-
欧州経済見通し 2021年、出だしから躓く
EU英国の協議は土壇場で決着するも、コロナ感染猛威で不透明感続く
2021年01月20日
-
中国:V字回復下の中国経済の注目点
感染第2波は回避へ。注目される接触型消費の完全復活の成否
2021年01月20日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日