2020年12月貿易統計

欧米での経済活動制限による需要減少を受け、輸出は足踏み

RSS

2021年01月21日

  • 鈴木 雄大郎

サマリー

◆2020年12月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+2.0%とコンセンサス(同+2.4%)を若干下回ったものの、25ヶ月ぶりにプラスとなった。輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲3.5%と7ヶ月ぶりにマイナスとなった。地域別に見ると、アジア向け(同+3.2%)は3ヶ月連続で増加したものの、米国向け(同▲7.8%)、EU向け(同▲16.7%)が大幅に減少した。欧米で実施された新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響を受け、輸出は足踏み状態にある。

◆貿易収支(季節調整値)は4,771億円と6ヶ月連続で黒字となった。10-12月期は7-9月期から黒字幅が拡大したため、10-12月期実質GDPの外需寄与度はプラスとなる公算が大きい。

◆輸出数量は2020年10-12月期に大幅に増加したが、2021年1-3月期も緩やかに増加するとみている。地域別に見ると、EU向けはロックダウンなどの影響によって減少するものの、年末に追加の経済対策が成立した米国向けや、経済が好調な中国向け輸出は増加基調を維持するだろう。また、足元では情報関連財や資本財の外需が持ち直しており、短期的には輸出の下支え要因となろう。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート