サマリー
◆2020年11月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲4.2%とコンセンサス(同+0.4%)を下回り、前年比のマイナス幅が前月から拡大した。季節調整値では前月比▲0.3%と小幅ではあるが、6ヶ月ぶりに減少した。なお、輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+2.0%と6ヶ月連続で増加しており、前月比ベースでの金額の減少は価格下落によるものとみられる。輸出数量を地域別に見ると、米国向け(前月比+2.3%)、EU向け(同+4.7%)、アジア向け(同+2.1%)はいずれも増加した。
◆先行きの輸出数量は回復基調が継続するとみている。ただし回復ペースはこれまでの力強い伸びと比べると鈍化するだろう。これまでの回復は世界各国で経済活動の再開が進んだことが主因であり、その中には、ロックダウン解除後の需要急増による在庫減を補うための輸出増が押し上げに寄与している。こうした需要は一時的なものであり、今後は緩やかな増加にとどまる公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2020年10月貿易統計
全地域向けで輸出数量が増加、輸入も持ち直し
2020年11月18日
-
2020年9月貿易統計
輸出は5月を底に回復基調が続く。米国向けが好調
2020年10月19日
-
2020年8月貿易統計
経済活動再開が進み、輸出数量は全ての地域向けで回復
2020年09月16日
同じカテゴリの最新レポート
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
2025年11月貿易統計
主力の米国向け自動車の輸出が急回復し、貿易収支は黒字に転換
2025年12月17日
-
2025年10月機械受注
民需(船電除く)は2カ月連続で増加、基調判断は上方修正
2025年12月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

