サマリー
◆12月の消費は前月から概ね横ばいであった。需要側の家計調査の実質消費支出は2ヶ月ぶりに小幅に増加した一方、供給側の商業動態統計の名目小売販売額は小幅に減少した。ただし家計調査の実質消費支出を水準で見ると、前月の落ち込みから回復していない。12月は気温が高かった11月から一転してほぼ平年並みの気温であったことからエアコンなど冬物商品の需要は高かったものの、新型コロナウイルス感染対策の効果もあり、風邪治療や医薬品に関する消費は少なかった。また、外出自粛や年末の旅行の自粛などもマイナス要因であった。
◆個社データや業界統計、POSデータを見ると、1月の消費は12月から減少したとみられる。巣ごもり需要に関連する業態は堅調に推移したものの、時短営業や不要不急の外出自粛の影響を受けた業態は大幅に減少した。ただし2020年春の前回緊急事態宣言時と比べると、財・サービスともに変化は小幅に留まるとみられる。2月以降の消費は、緊急事態宣言の延長を受けてサービス消費を中心に低迷するだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費データブック(2021/2/4号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
2021年02月04日
-
10都府県への緊急事態宣言の延長で経済見通しを下方修正
1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率▲7.0%に引き下げ
2021年02月02日
-
日本経済見通し:2021年1月
1-3月期は小幅な景気悪化を見込むも「二番底」リスクを排除できず
2021年01月20日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日