サマリー
◆米国における高齢者の労働参加率は90年代以降高まり続けている。その背景には、高齢者の健康状態の改善、高学歴の高齢者の割合の増加などがある。
◆高齢者の雇用形態の特徴としては、まず他の年齢層と比較して自営業で働く人々の割合が高い。また、フルタイムで働く高齢者の比率が上昇傾向にある。産業別では、農業や畜産業といった第一次産業のほか、法律や会計といった専門サービス業などで高齢者が就業する割合が高い。職種別では、専門職のほか業務を管理・監督する管理職員や販売職に就く高齢者の割合が高い。
◆フルタイムで働く高齢者の給料は、他の年齢層と比較しても遜色ない程度に高まっている。特に注目されるのは65歳以上の労働者である。2000年時点では、同年齢階級の週給は45-54歳階級の70%程度の水準であった。2014年にはこれが92%まで上昇している。その背景には、高齢者自体が高学歴化したことがあると考えられるが、雇用者年齢差別禁止法に基づき定年制が存在しないこと、その結果、年齢ではなく知識やスキルが比較的素直に賃金に反映されやすいことなどがあろう。
◆多くの先進国と同じように、米国も社会保障制度の変更を通じて高齢者に労働を続けるインセンティブを与えようとしている。また、雇用者年齢差別禁止法や高齢者地域サービス雇用プログラム(Senior Community Service Employment Program)といった高齢者の労働を促す各種の法律・制度も実施されている。
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