サマリー
◆イギリスにおける退職のタイミングは遅く、就業年数はEU平均を3年も上回る。高齢化が進む中、政府は積極的に高齢者の就業支援を行う一方で、就業者側も長く働きたいという意思が強く、両者の意向が一致している。
◆高齢者が就業を継続する主な理由には、貯蓄率の低さと年金水準の低さがある。年金水準はそれほど高くなく、年金所得だけでは生活が成り立たないという実情があるようだ。政府の政策は主に、年金制度の段階的な修正が中心である。年金支給開始年齢の引き上げや、定年制の廃止、年金受給の繰り下げによるメリットの拡大等である。労働政策に関する財政支出は、失業手当などの「消極的労働市場政策」分野から職業紹介などの「積極的労働市場政策」分野に重点を移している。
◆高齢者の雇用形態で見ると、自営業者が多い。また、現役から退職の移行期において、パートタイムやフレックスを利用する割合が高い等、柔軟性の高い雇用形態が採用されている。賃金を確認すると、40歳以降ではEU平均と比較して下落率が大きい。
◆高齢者の就業率が国際水準を上回る背景には、高齢者の不十分な資産形成がある。政府もその点を懸念しており、2014年の年金法では、現行よりも分かりやすい年金制度にすることで、自身が将来どの程度年金を受給できるのか認識できる仕組みとしている。
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