中国:2012年の金融政策の行方

預金準備率に大幅な引き下げ余地

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2012年01月24日

サマリー

◆2011年12月12日~14日に開催された経済工作会議では、2012年の経済政策の最重点課題がインフレ抑制から成長維持に変わったことがはっきりと示された。金融には、経済の安定成長をサポートする役割が期待されている。

◆上げすぎの状態にある預金準備率には、大幅な引き下げ余地があり、年間では2%(0.5%の引き下げを4回)程度の引き下げは可能であろう。2011年6月までの預金準備率引き上げの背景の一つとなっていた中国への多額の外貨流入は、2011年10月以降減少に転じた。2012年は少なくとも外貨流入の増鈍化は期待でき、これが預金準備率の引き下げ余地を拡大させよう。

◆大和総研は、2012年の貸出基準金利は据え置かれると想定している。利下げのタイミングが早まるとすれば、輸出の急減速など景気下振れリスクが高まること、物価が当局の抑制目標を下回ること、の2つの条件が満たされる時であろう。

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