2013年09月24日
サマリー
◆日本銀行より2013年4-6月期の資金循環統計が公表された。2013年4月に決定された「量的・質的金融緩和」(いわゆる異次元緩和政策)がいかなる影響を及ぼしたかが注目された。想定通り、中央銀行の国債残高の大幅増加と、対照的な預金取扱金融機関の国債残高の大幅減少が確認された。
◆また、異次元緩和政策決定以降に長期金利が反転上昇したため、期末における保有国債の時価下落の影響が各主体で表れた。
◆生命保険や年金部門の国債・財融債の残高は、長期金利の上昇を受けて、減少となったが、フローでは買い増しとなった。異次元緩和政策の導入を受け、これらの主体の運用が一部国債から海外資産にシフトするのではとの観測もあったが、今回の結果を見る限り、そうした動きは見受けられない。
◆家計の金融資産残高は史上最高値に迫った。投資信託や社債への資金流入がみられた一方、株式はフローで売り越しが続いた。事業会社(民間非金融法人企業)の資金需要は引き続き弱いが、有価証券の発行による資金調達には増加の傾向がみられた。
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