2026年03月10日
サマリー
◆2025年12月19日に金融庁が公表した政策パッケージ「地域金融力強化プラン」では「官民連携のまちづくりへの参画」が明示された。これまで、投資専門子会社を通じた出資規制緩和の議論において、「地域活性化事業会社」の一例として「まちづくり会社」が言及されることはあったものの、金融行政の文脈で明確に位置づけられることはなかった。今回のプランは、この点を政策として明示した点に特徴がある。
◆公有財産を起点とする官民連携プロジェクトは、物件の性質上、担保権の実行が困難である。加えて、公的負担の抑制という政策的要請や、2000年代の第三セクター問題への反省を背景に、自治体による債務保証や損失補償も認められていない。無担保・無保証が前提となる一方、事業性評価の拠り所となる収益性にも課題が残る。こうした条件の下では、預金者保護の観点から慎重な審査を求められる預金金融機関にとって、リスクテイクのハードルは極めて高いのが実情である。
◆地域金融機関に対し能動的な「面的活性化」への関与を期待するのであれば、事業リスクに見合った集客策を遂行できる権限の付与が不可欠だ。とはいえ、その鍵を握るテナントリーシングにおいて、銀行が不動産仲介業を営むことは「他業禁止」により制限されている。こうした制度的制約は、官民連携によるまちづくりの実効性を高める上での課題となり得る。
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