高速道路インフラの資金調達についての現状と展望

高速道路各社の社債は、道路資産完成後に高速道路機構へ

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2016年07月05日

  • 中里 幸聖

サマリー

◆4月1日から首都圏の高速道路の料金体系が変更となった。これは、首都圏の三環状道路(圏央道、外環道、中央環状線)の整備進展に伴うものであるが、「整備重視の料金」から「利用重視の料金」への転換の一環でもある。


◆概成した高速道路網の維持更新は、料金収入が鍵となる。料金収入の動向、高速道路の事業スキーム等は、当面の高速道路網の持続可能性には大きな課題は生じていないことを示している。


◆新規高速道路建設、大規模更新・修繕等のための資金調達は高速道路各社が担っている。高速道路各社の道路建設・更新等のための普通社債については、道路資産完成後に財投機関である高速道路機構に引き渡される。高速道路各社の普通社債の応募者利回りは、同年限の国債の金利水準を相応に上回っているが、財投機関債とほぼ同水準である。


◆中長期的な人口減少は、全般的な交通需要のマイナス要因であり、将来的な高速道路網の維持更新には、資金調達方法も含めた新たな工夫が求められることになる。

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