高速道路の大規模更新・修繕とその資金

料金徴収は、高速道路の持続性維持に重要

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2014年04月18日

  • 中里 幸聖

サマリー

◆高速道路の大規模更新と大規模修繕合計で、全国高速道路網は約3兆200億円、首都高速道路は約6,300億円、阪神高速道路は約3,700億円、本四高速道路は約250億円の概算事業費がかかると見込んでいる。それらを単純合計すると、高速道路網の大規模更新・大規模修繕に約4兆450億円の費用がかかることとなる。


◆国交省では、高速道路の大規模修繕・大規模更新の財源確保策として、高速道路の料金徴収期間を2065年まで15年間延長することとし、2014年2月には「道路法等の一部を改正する法律案」を国会に提出している。


◆高速道路の新規建設や大規模修繕・大規模更新、そのための資金調達は高速道路各社が実施するが、完成後は高速道路資産と債務を高速道路機構に引渡す。高速道路各社は、高速道路機構から高速道路資産を借り、料金収入で賃借料を支払う。この料金収入が債務返済の原資となる。なお、高速道路各社の発行した債券は、債務引渡しの際に一般社債扱いから財投機関債扱いとなる。


◆今回の大規模修繕・大規模更新の財源としては、料金徴収期間の15年間延長で確保できると考えられるが、今後とも高速道路網を活用していくためには、長期的かつ計画的な視点に基づいて、適切な水準での料金徴収の恒久化を図るべきであると考える。

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