サマリー
第二次大戦後、1990年代半ばまで、わが国ではインフラの整備拡張を基調としてきた。インフラの耐用年数を50年と想定すると、特に1970年代頃から拡大し始めた多くのインフラの更新費用が2020年頃から増加し始めると想定される。一方、インフラ整備の基本的な財源は税金であるが、わが国の財政は厳しい状況に直面している。
更新が必要なインフラのうち、インフラの利用者からの料金収入や運営業務を伴っている分野では、様々な形で官民連携を進めることによって、更新費用に対する税負担を軽減できる可能性が見込まれる。今後のインフラ更新費用等への資金としては、これまでも国債等への投資の形で資金提供してきた年金等の長期性資金が期待され、今後は、官民連携のスキーム等へ投資していくことも考えられる。そのための体制整備や法規制見直しが重要となろう。また、インフラの選択と集中も進めていくべきであり、それらを総合的に進めていくことによって、インフラの持続可能性を高めていくべきであろう。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
役割分担見直しとしての民営化
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第7回(最終回)
2013年09月18日
-
コンセッションとは?
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第2回
2013年08月14日
-
みんなのためのインフラ更新と国土強靭化③
人口減少下での重点化・優先順位付け
2013年06月27日
-
みんなのためのインフラ更新と国土強靭化②
政権交代後の検討状況及び新法案と全体ビジョンの必要性
2013年05月31日
-
みんなのためのインフラ更新と国土強靭化①
国土強靭化の論点と課題
2013年05月07日
-
大量更新期を迎える上下水道
官民連携と取捨選択が持続性向上に重要
2013年03月11日
-
地方公共団体の財政面の現状
強い地方を作るための足元再確認
2013年02月01日
-
道州制に関する提言等の概要(改訂版)
政権交代により再び気運が高まる
2012年12月18日
-
始動する国土強靱化、基本法成立
国土強靱化に関する基本法、政策大綱とインフラ更新検討状況
2013年12月13日
-
高速道路の大規模更新・修繕とその資金
料金徴収は、高速道路の持続性維持に重要
2014年04月18日
同じカテゴリの最新レポート
-
持続可能な社会インフラに向けて 水道広域化のスケールメリットの検証と課題
足下のコスト削減よりむしろ技術基盤の強化
2025年04月22日
-
水道管路の性能劣化の現状とその対策
都市部の経年化よりむしろ低密度・人口減地域の投資財源不足が課題
2025年03月14日
-
地方創生10年 職種構成に着眼した東京一極集中の要因と対策
どうして若者は東京を目指すのか
2024年12月26日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日