インフラファンドの国内における可能性
コンセッション事業が始動しつつあり、徐々に拡大か
2016年09月07日
サマリー
◆空港分野において、本格的なコンセッション(公共施設等運営権)事業が始動している。1999年のPFI法成立後、わが国のPFI事業は実績を積み上げてきたが、十分な水準とは考えられていなかった。安倍内閣の「日本再興戦略」では、PPP/PFI の事業規模拡大を掲げ、コンセッション方式の拡大を提唱してきた。
◆年金資金などにとって、インフラを投資対象とするインフラファンドの拡大が期待されるが、①インフラの民間開放が限定的、②海外で実施されているPPPと同様の手法が既に存在、といった事情から、国内インフラを対象としたインフラファンドの組成は低調であった。
◆コンセッション事業の拡大や、再生可能エネルギー分野を中心とする東証上場インフラファンド市場の立ち上がりは、国内インフラを対象とした投資の可能性を広げるものであり、今後の発展が期待される。
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