2015年01月30日
サマリー
◆日本政策投資銀行と商工組合中央金庫の完全民営化が当面見送られる見込みとなったことに象徴されるように、政策金融を含む公的な法人の位置づけが変わってきている。
◆2001年の財投改革、続く特殊法人等整理合理化計画、その一環ともいえる政策金融改革という流れの中で、財政投融資に関連する改革は、「民にできることは民に」「官から民へ」というキャッチフレーズに象徴される方向で進められた。しかし、世界金融危機や東日本大震災、また長期の経済低迷からの脱却のために、改革の方向性は見直されつつある。
◆資金循環統計における「財政融資資金」、「政府系金融機関」、「公的非金融法人企業」が、この一連の改革の対象に該当する。これらの金融資産、負債の動向に、財投改革をはじめとする一連の改革とその後の見直しの動きが表れている。
◆官民ファンドなどを含めて公的な法人の位置づけ見直しの影響は、現時点では、資金循環統計上で明確な動きとして表れているわけではない。しかし、官民ファンドの事業進捗やいくつかの公的非金融法人企業の上場などの実現に伴う今後の動きが注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
財投、政策金融など「官」の資金の近況
官民ファンド、政策金融機関強化は、徐々に累積的な効果
2016年05月10日
-
官民ファンド
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第4回
2013年08月28日
-
財政投融資と政策金融機関
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第6回
2013年09月11日
-
" 貯蓄から投資へ" 実現のために企業が果たすべき役割
『大和総研調査季報』 2014年新春号(Vol.13)掲載
2014年03月03日
-
高速道路の大規模更新・修繕とその資金
料金徴収は、高速道路の持続性維持に重要
2014年04月18日
-
資金循環構造とゆうちょ銀行・かんぽ生命
資金循環構造の変遷におけるゆうちょ銀行・かんぽ生命のポジション
2014年06月17日
-
農業政策変革の動きと農業政策金融
農業の復権に向けた金融の役割②
2014年07月23日
-
成長持続に向けた財政投融資の活用
~官民連携強化を促進する財投へ~『大和総研調査季報』 2014年夏季号(Vol.15)掲載
2014年09月01日
-
官民ファンドの現状と期待
国内向けは地方創生の観点も重要
2014年12月01日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日