サマリー
◆2017年3月27日に、「所得税法等の一部を改正する法律」が成立し、3月31日に政省令等とともに公布され、積立NISAの導入が正式決定された。
◆2018年に創設される「積立NISA」には、内閣府告示により対象となる公募株式投信・ETFに対して、厳しく絞り込みが行われている。積立NISAは、選択肢を少なくして選びやすくした投資初心者向けの制度として普及する可能性がある。
◆他方、現行NISAは投資対象の商品と投資方法の自由度が高く、非課税で投資できる元本の金額も積立NISAより当面大きい。このため、現行NISAを利用している個人投資家の多くは積立NISAには移行せず現行NISAを利用し続ける可能性がある。
◆今後、現行NISA、ジュニアNISA、積立NISAの3つの制度について積立NISAに寄せる形での一本化が検討されることも想定される。より制約の多い制度への一本化が検討される中、分配金再投資やスイッチングで非課税枠を消費する現行NISAの「使いづらさ」の改善が難しくなることが懸念される。
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