日本版スチュワードシップ・コードと金融商品取引法④
インサイダー取引規制等を巡る論点
2014年04月17日
サマリー
◆2014年2月26日、「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」は、「『責任ある機関投資家』の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫」をとりまとめた。
◆基本的には、英国のスチュワードシップ・コードの諸原則・諸指針をベースとしつつ、投資先企業への関与を強めていく場合のガイドラインや集団的エンゲージメントに関する規定を設けていない一方、企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきことを明記するなど、独自の要素も盛り込まれている。
◆金融庁は、これに合わせて「日本版スチュワードシップ・コードの策定を踏まえた法的論点に係る考え方の整理」を公表している。これは、日本版スチュワードシップ・コードに基づく機関投資家等の活動によって生じる可能性のある金融商品取引法上の論点(大量保有報告制度、公開買付規制、インサイダー取引規制等)について、金融庁の見解を示したものである。
◆本稿では、インサイダー取引規制等を巡る論点を紹介する。
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