会社法改正の検討事項:現物出資制度をめぐる論点

検査役の調査と不足額填補責任の見直し

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サマリー

◆2026年3月18日、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第12回会議にて、「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」(以下、「中間試案」という。)が取りまとめられた。株式の発行の在り方に関する規律の項目に、「現物出資制度の見直し」が挙げられている。

◆現物出資制度について、検査役の調査と不足額填補責任という二つの観点から見直しが検討されている。裁判所による検査役の選任や、現物出資者や取締役等に課される不足額填補責任に対する懸念から、現行の現物出資制度は、スタートアップに対する知的財産権等の現物出資を萎縮させている可能性があると指摘されている。

◆中間試案では、株主総会の特別決議によって現物出資財産の価額が定められた場合、検査役の調査の省略が可能になる旨の提案がされている。このとき、取締役は、株主が適切な判断ができるように、当該価額が相当である理由を説明しなければならない。

◆一方、不足額填補責任については、「不足額」の定義を「決定時不足額」に改めることが検討されている。「決定時不足額」では、募集事項として定められた現物出資財産の価額は、現物出資者が株主になったときの実際の価額ではなく、募集事項の決定の時における実際の価額と比較される。また、現物出資者が不足額填補責任を負うのは、取締役等と通謀した場合などに限定するという案も検討されている。

◆ただし、上記のような現物出資制度に関する見直しは、会社の設立時における現物出資には適用されない見込みである。

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