AIの雇用への影響をどう読むか

一部の職種で狭まる若手の「入口」、経験を積む場をどう残すか

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サマリー

◆近年の実証研究では、米国を中心に、生成AIの影響を受けやすい一部の職種で若手の雇用悪化が相次いで報告されている。悪化は主に採用の減少として表れており、最初の職を得る「入口」が狭まっている。ただし、悪化の一部はChatGPT公開前に始まっており、在宅勤務の広がりやコロナ禍の採用増の反動とも重なる。複数の要因が考えられる中、AIの影響の大きさについて明確な結論は得られていない。

◆若手の「入口」が狭まる一方、米国全体では雇用者数が増えている。もっとも、雇用増の多くは民間教育・医療によるもので、幅広い産業には広がっていない。採用も離職も少ないため、既に職に就いている人は職を失いにくいが、これから職を得る人や転職を望む人にとっては空席が少ない。さらに、AIによる省力化は、人員を減らすより、業務の中身や外注を見直す形で進む例が多い。雇用者数だけでは、こうした仕事の機会の変化は見えにくい。

◆今後の雇用を分けるのは、AIによる値下げや品質向上で需要が広がったり、新しい業務が生まれたりして、どれだけ人手が必要になるかである。ただし、新たな仕事が生まれても、若手に回るとは限らない。41カ国の多国籍企業の分析では、生成AIを導入した企業の拠点で経験者の雇用が増え、若手の比率が下がった。経験者の多くは、入口の仕事を通じて育つ。若手の採用を絞る判断は、個々の企業には合理的でも、続けば将来の経験者が育たない「育成の空洞化」を招きかねない。若手が経験を積む場をどう残すかが問われており、社内で人を育てる日本企業も無縁ではいられないだろう。

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