サマリー
◆2023年10-12月期のGDP1次速報の公表を受け、経済見通しを改訂した。メインシナリオにおける実質GDP成長率は2023年度+1.3%、2024年度+0.8%、2025年度+1.3%(暦年ベースでは2024年+0.4%、2025年+1.4%)と見込む。
◆2024年春闘での賃上げ率は4%台に乗せる可能性があり、実質賃金の前年比は2024年7-9月期にプラス転換するだろう。賃上げと価格転嫁の循環により、基調的なインフレ率は2%程度で安定すると見込んでいる。自動車の挽回生産、インバウンド需要の増加、サービス消費の回復、高水準の家計貯蓄、シリコンサイクルの回復、所得減税を含む総合経済対策などが日本経済を下支え・押し上げるだろう。海外経済の下振れリスクには引き続き細心の注意が必要で、国内金利の上振れや円高の急速な進行も考えられる。
◆日銀は2024年4月にイールドカーブ・コントロールの撤廃とマイナス金利政策の解除(短期金利を0~0.1%に引き上げ)を行い、その後は経済・物価情勢を注視しつつ、緩やかなペースで利上げを実施すると当社は想定している(2024年10-12月期に短期金利を0.25%とし、その後は年0.50%のペースで追加利上げ)。ただし、実質短期金利は予測期間を通じてマイナス圏で推移するなど緩和的な金融環境は維持されるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
主要国経済Outlook 2025年9月号(No.466)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2025年08月25日
-
マーケットは堅調も、米国経済の不透明感は増す
2025年08月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日