サマリー
◆経済見通しを改訂:2013年7-9月期GDP二次速報を受け、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2013年度が前年度比+2.5%(前回:同+2.6%)、2014年度が同+1.0%(同:同+1.0%)である。2013年7-9月期の経済成長率が下方修正されたことや、過去の数字が遡及改訂されたことを受け、経済見通しを微修正した(→詳細は、熊谷亮丸他「第179回 日本経済予測(改訂版)」(2013年12月9日)参照)。
◆2014年の日本経済見通し:日本経済は2012年11月を底に回復局面に入ったが、今後も着実な景気拡大が続くとみられる。今後の日本経済は、①米国経済回復による輸出の持ち直し、②日銀の金融緩和を受けた円安・株高の進行、③消費税増税に伴う経済対策の効果などから、引き続き拡大する見通しである。リスク要因としては、①新興国市場の動揺、②中国の「シャドーバンキング」問題、③「欧州ソブリン危機」の再燃、④地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、の4点に留意が必要となろう。
◆「経済の好循環」は本当に起きるのか?:今回のレポートでは、今後、わが国で政府が目指す「経済の好循環」が本当に起きるか否か、という点について検証した。第一に、「賃上げ」による好循環という面では、賃上げは「非製造業」などに好影響を及ぼす。特に、定期給与の増加は耐久財を中心に個人消費を活性化させる。ただし、好循環が継続するためには、「賃上げ分を販売価格に転嫁できるか否か」という点がカギとなる。第二に、「設備投資増加」による好循環という面で、設備投資減税には一定の「呼び水効果」が期待される。しかし、わが国では設備稼働率が低迷していることを勘案すると、設備投資の回復力は総じて脆弱なものにとどまるだろう。近年、設備投資の生産誘発係数が緩やかな低下傾向にあることも気掛かりな点だ。そもそも、設備投資の動きは期待成長率の動向に大きく左右される。法人税減税や抜本的な規制緩和などを通じて、企業の成長期待を高めることこそが、設備投資回復の王道なのだ。さらに、本レポートでは、法人税減税の効果を検証した上で、景気動向に関する定量的なシミュレーションを行っている。
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