サマリー
◆2025年11月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+3.0%と、伸び率は前月から横ばいだった。電気代などが上昇しエネルギーの前年比寄与度は拡大した一方、食料品価格などの上昇率鈍化がこれを相殺した。生鮮食品やエネルギーを除いた全国新コアコアCPIは同+3.0%と、前月から伸び率が縮小した。
◆2025年11月のコアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、エネルギーのプラス幅が拡大した一方、非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)と半耐久消費財、耐久消費財のプラス幅は縮小した。サービスの伸び率は前月から横ばいだった。
◆先行きの物価上昇率について、コアCPIは2025年度で前年比+2.7%、2026年度で同+1.7%、新コアコアCPIについては2025年度で同+3.0%、2026年度で同+2.0%と見込んでいる。政策面では、高校授業料の実質無償化拡充や学校給食費無償化、エネルギー高対策などが、物価の押し下げ方向に働く。また、食料価格の上昇率は徐々に鈍化していく見込みだ。他方、人手不足の深刻化という構造的な課題を背景に、企業による賃上げの動きは続く見込みだ。それに伴う人件費の増加を販売価格に転嫁する動きも継続するだろう。
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