サマリー
◆2025年7月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は、前月比+1.7%と2カ月ぶりに増加した。複数の需要側統計を用いて補正した世帯消費動向指数(CTIミクロ)で見た実質消費は同+2.0%と、2カ月ぶりに増加した。需要側統計はこのところ振れが大きいが、均して見れば概ね横ばいで推移している。他方、供給側統計である商業動態統計では、CPIの財指数で実質化した小売販売額が同▲1.8%と2カ月ぶりに減少した。需要側と供給側統計の双方を用いて算出された総消費動向指数(CTIマクロ)は同+0.0%であった。総じて見れば、7月の個人消費は前月から概ね横ばいで推移したと判断される。
◆個人消費は年末にかけて緩やかに増加するだろう。春闘の賃上げ率が昨年に続き高水準となったことや、好調だった夏季賞与や高水準の最低賃金の引き上げ率が好材料だ。物価上昇率は緩やかながら低下していくとみられ、実質賃金を下押しする影響は弱まっていくだろう。ただし、物価高騰への懸念が消費者マインドを下押ししている点には注意が必要だ。
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