サマリー
◆2025年5月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲1.7%と8カ月ぶりに減少した。一方、季節調整値では、前月比+0.1%と小幅に増加した。輸入金額は前年比▲7.7%と2カ月連続で減少した、季節調整値も前月比▲0.3%と2カ月連続で減少した。貿易収支は▲6,376億円と2カ月連続の赤字、季節調整値では▲3,055億円と3カ月連続の赤字となった。
◆米国向けの自動車の部分品は金額ベース(前年比▲19.0%)に加え、数量ベース(同▲11.9%)でも大幅に減少した。一方、完成車では輸出金額が同▲24.7%と大幅に減少したものの、輸出数量は同▲3.9%と比較的小幅な減少にとどまった。これは、米国の関税政策(トランプ関税)への対応として、輸出価格を引き下げて輸出数量への影響を抑える日系メーカーの動きを反映したものとみられる。
◆2025年5月の輸出数量は前月比▲0.1%と3カ月連続で減少した。ただし、振れを均せば横ばい圏で推移している。品目別では、乗用車や医薬品の輸出が好調だった一方、アジア向けを中心に鉄鋼や集積回路(IC)、プラスチックなどの中間財の輸出が弱含んだ。地域別では、EU向けは増加した一方、米国向けやアジア向けの減少が指数全体を押し下げた。アジア向けのうち中国向けも減少した。
◆先行きの輸出数量は横ばい圏で推移するとみているが、不確実性は引き続き高い。現時点で主要輸出先における実体経済の大幅な悪化は確認できないが、トランプ関税や、その動向を巡る不確実性を背景に各国・地域で設備投資や個人消費が腰折れすれば、日本の輸出にも逆風となる。また、中東情勢の悪化により資源価格が高騰し、各国・地域の景気を下押しするリスクにも留意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/3/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年03月05日
-
2025年10-12月期法人企業統計と2次QE予測
AI需要が企業収益をけん引/2次QEでGDPは上方修正へ
2026年03月03日
-
2026年1月雇用統計
失業率は2.7%と5カ月ぶりに上昇
2026年03月03日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

