サマリー
◆2024年10月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比+2.9%と2カ月ぶりに増加した。他方、複数の需要側統計を用いて補正した世帯消費動向指数(CTIミクロ)で見た実質消費は同▲1.6%であった。供給側統計である商業動態統計では、CPIの財指数で実質化した小売販売額は同▲0.3%と減少した。総消費動向指数(CTIマクロ)は同▲0.1%であった。高気温の影響で衣料品など一部品目への支出が落ち込んだこともあり、総じて見れば10月の個人消費は前月から減少したと判断される。
◆11月の個人消費は10月から横ばい圏で推移したとみられる。12月以降の個人消費は、所得環境の改善などを受けて緩やかに持ち直すとみている。ただし、物価の上振れリスクには引き続き注意が必要だ。企業による価格転嫁が過度に進展し物価が上振れすれば、実質賃金が低下し、個人消費の回復を妨げる可能性がある。
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