サマリー
◆2021~22年に見られた記録的な輸入物価高を契機に、国内企業の価格転嫁が進展している。企業の投入コストのうち、原材料など中間投入コストの価格転嫁は特に製造業で進展した。中間投入比率が高く、積極的に価格転嫁を行う必要に迫られたためとみられる。価格転嫁を行いやすくなったことで、人手不足感が相対的に強まった業種を中心に、労働投入コストを販売価格に転嫁する動きも広がった。
◆先行きの販売価格は、中間投入コストによる上昇圧力は落ち着く一方、労働投入コストが継続的に押し上げるとみられる。2024年春闘での賃上げ率は、30年ぶりの高水準となった前年をやや上回る見込みで、労働投入コストは今後も増加することが予想される。労働投入に係る価格転嫁が継続すれば、物価の上昇基調は一段と強まるだろう。
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