サマリー
◆2021~22年に見られた記録的な輸入物価高を契機に、国内企業の価格転嫁が進展している。企業の投入コストのうち、原材料など中間投入コストの価格転嫁は特に製造業で進展した。中間投入比率が高く、積極的に価格転嫁を行う必要に迫られたためとみられる。価格転嫁を行いやすくなったことで、人手不足感が相対的に強まった業種を中心に、労働投入コストを販売価格に転嫁する動きも広がった。
◆先行きの販売価格は、中間投入コストによる上昇圧力は落ち着く一方、労働投入コストが継続的に押し上げるとみられる。2024年春闘での賃上げ率は、30年ぶりの高水準となった前年をやや上回る見込みで、労働投入コストは今後も増加することが予想される。労働投入に係る価格転嫁が継続すれば、物価の上昇基調は一段と強まるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7-9月期法人企業統計と2次QE予測
AI関連需要の高まりで大幅増益/2次QEでGDPは小幅の下方修正へ
2025年12月01日
-
高市政権における実質賃金上昇の鍵は?
政策・改革の推進で40年度までの実質賃金は年率1.2~1.6%程度に
2025年12月01日
-
2025年10月雇用統計
雇用環境の改善が進み、就業者数は過去最高を更新
2025年11月28日

