サマリー
◆2021~22年に見られた記録的な輸入物価高を契機に、国内企業の価格転嫁が進展している。企業の投入コストのうち、原材料など中間投入コストの価格転嫁は特に製造業で進展した。中間投入比率が高く、積極的に価格転嫁を行う必要に迫られたためとみられる。価格転嫁を行いやすくなったことで、人手不足感が相対的に強まった業種を中心に、労働投入コストを販売価格に転嫁する動きも広がった。
◆先行きの販売価格は、中間投入コストによる上昇圧力は落ち着く一方、労働投入コストが継続的に押し上げるとみられる。2024年春闘での賃上げ率は、30年ぶりの高水準となった前年をやや上回る見込みで、労働投入コストは今後も増加することが予想される。労働投入に係る価格転嫁が継続すれば、物価の上昇基調は一段と強まるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(9/13~10/15発表統計)
2025年10月16日
-
25年度最低賃金改定の総括と今後の焦点
新政権では欧州型目標の導入など最低賃金政策の再考を
2025年10月14日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日