投入コスト別に見た価格転嫁の動向

労働投入コストの転嫁継続で物価の上昇基調は一段と強まる見込み

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2024年02月01日

サマリー

◆2021~22年に見られた記録的な輸入物価高を契機に、国内企業の価格転嫁が進展している。企業の投入コストのうち、原材料など中間投入コストの価格転嫁は特に製造業で進展した。中間投入比率が高く、積極的に価格転嫁を行う必要に迫られたためとみられる。価格転嫁を行いやすくなったことで、人手不足感が相対的に強まった業種を中心に、労働投入コストを販売価格に転嫁する動きも広がった。

◆先行きの販売価格は、中間投入コストによる上昇圧力は落ち着く一方、労働投入コストが継続的に押し上げるとみられる。2024年春闘での賃上げ率は、30年ぶりの高水準となった前年をやや上回る見込みで、労働投入コストは今後も増加することが予想される。労働投入に係る価格転嫁が継続すれば、物価の上昇基調は一段と強まるだろう。

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