サマリー
◆2023年2月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+6.5%(季節調整値では前月比+4.4%)となった。中国の春節明けの影響で上振れしたが、1-2月平均で見た中国向け輸出数量は2022年12月を割り込んでおり、全体としては物足りない印象だ。輸入金額は前年比+8.3%(季節調整値では前月比▲3.0%)と伸び率が急激に鈍化した。これを受け、貿易収支は▲8,977億円(季節調整値では▲1兆1,907億円)となった。
◆2月の輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+4.0%と4カ月ぶりに増加した。半導体不足の一段の緩和を背景に自動車輸出が好調となった。地域別に見ると、米国向け(同+1.7%)が増加したほか、アジア向け(同+4.3%)は中国向け(同+15.0%)の回復によって増加した。EU向け(同▲2.0%)は減少したものの、下げ止まりの兆しが見られる。
◆先行きの輸出数量は、追加利上げに伴う米国の景気減速を主因に減少基調を辿ったのち、中国経済の回復や供給制約の緩和を背景に増加傾向へ転じるとみている。足元では中国の個人消費が持ち直しつつある。また、半導体不足の緩和によって国内では自動車販売が加速している。海外で積み上がった受注残が消化されることで、自動車などに関しては輸出増が期待できる。
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