サマリー
◆2022年8月の機械受注(船電除く民需)は前月比▲5.8%と、コンセンサス(Bloomberg調査、同▲2.8%)を下回り3カ月ぶりに減少した。前月からの反動を主因に非製造業が大きく減少したほか、幅広い業種で回復が鈍かった。船電除く民需の受注額は均して見れば横ばい圏にあり、全体の基調としては良くも悪くもないとみられる。内閣府は機械受注の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
◆製造業からの受注額は前月比+10.2%と増加に転じた。非鉄金属の大型案件によって押し上げられた側面が強かったが、この影響を除いて見ても全体は小幅に増加したとみられる。非製造業(船電除く)からの受注額は同▲21.4%と大幅に減少した。運輸業・郵便業からとみられる鉄道車両の受注が急増した7月の反動が表れたほか、その他の幅広い業種・機種が伸び悩んだ。
◆先行きの民需(船電除く)は徐々に増加傾向に向かうとみている。国内のサービス消費の回復や中国経済の持ち直しを背景に、非製造業や輸出産業が設備投資をけん引するだろう。他方、欧米での景気後退リスクの高まりなどが企業の設備投資意欲を減退させる可能性には注意が必要だ。
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