サマリー
◆2022年6月の機械受注(船電除く民需)は前月比+0.9%と2カ月ぶりに増加した。前月の減少に対して戻りはやや弱いが、大型案件なども支えとなり4-6月期の実績は見通しを大きく上回った。内閣府は機械受注の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
◆製造業からの受注額は前月比+5.4%と2カ月ぶりに増加した。2件の大型案件が受注額を押し上げた。非製造業(船電除く)からの受注額は前月から横ばいであった。金融業・保険業や運輸業・郵便業が全体を押し上げた一方、建設業からの受注は減少するなど、業種によりばらつきのある動きとなった。
◆先行きの民需(船電除く)は、国内の新型コロナウイルス感染状況が悪化した7月に減少したとみられる一方、それ以降は緩やかな増加基調に転じるとみている。国内でのサービス消費の回復や中国経済の持ち直しが追い風となろう。他方、足元では米欧の景気を中心に先行き不透明感が強い。金融引き締めが設備投資意欲を削ぐ可能性や、中国での感染再拡大のリスクには注意が必要だ。
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