サマリー
◆2021年9月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+13.0%と前月(同+26.2%)から伸びが鈍化した。供給制約を背景に自動車輸出が急減しており、季節調整値で見た輸出金額は前月比▲3.9%と減少に転じた。資材の高騰がタイムラグを伴って価格転嫁されたことで輸出価格が上昇したが、輸出数量の減少がこれを上回った。輸入金額は前年比+38.6%、季節調整値では前月比+0.2%と増加基調が続いている。輸出の減少と輸入の増加を背景に、貿易収支は季節調整値で▲6,248億円と大幅な赤字となった。これを受け、7-9月期実質GDPの外需寄与度はマイナスとなる公算が大きい。
◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲7.8%と3カ月連続で減少した。減少幅はコロナショックに見舞われた2020年5月以来の大きさであった。地域別に見ると、米国向け(同▲18.1%)、EU向け(同▲5.1%)、アジア向け(同▲3.9%)のいずれも減少した。
◆先行きの輸出は増加基調を辿るものの、増加ペースは緩やかとなろう。景気回復が続く欧米向けの輸出が全体をけん引するとみている。ただし欧州の一部地域では新型コロナウイルス感染が再拡大しており、消費機会の減少によって日本からの輸出の回復ペースが鈍化する可能性がある。また中国向け輸出は、短期的には同国の景気減速を背景に足踏みするとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2021年8月貿易統計
供給制約により自動車輸出が抑制され輸出数量は2カ月連続で減少
2021年09月16日
-
2021年7月貿易統計
EU向け輸出が大幅増も米国・アジア向けが鈍化し輸出数量は減少
2021年08月18日
-
2021年6月貿易統計
米国向けが好調も4-6月期の純輸出は前期から減少
2021年07月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年7月雇用統計
失業率は2.3%と5年7カ月ぶりの低水準に
2025年08月29日
-
2025年7月鉱工業生産
自動車工業などが減産、先行きは関税政策の悪影響に注意
2025年08月29日
-
日本が取り組むべきは「現役期」の格差是正
給付付き税額控除と所得税改革などで貧困層を支えよ
2025年08月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日