サマリー
◆2021年8月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+26.2%と大幅に増加した。これはコロナショックからの回復途上にあった前年の裏の影響によるもので、季節調整値で見た輸出金額は前月比+0.8%と小幅に増加した。輸出数量は減少した一方、資材価格の高騰による輸出価格の上昇が輸出金額を押し上げた。輸入金額は前年比+44.7%、季節調整値では前月比+4.6%と堅調であった。これを受け、貿易収支は季節調整値で▲2,718億円と前月から赤字幅が拡大した。
◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲0.5%と2カ月連続で減少した。2カ月連続での減少はコロナショックに見舞われた2020年4-5月以来である。地域別に見ると、米国向け(同▲0.2%)、EU向け(同▲0.5%)、アジア向け(同▲1.0%)のいずれも減少した。
◆先行きの輸出は緩やかな増加基調を辿るとみている。景気回復が続く欧米向けの輸出が全体をけん引するだろう。一方、中国向けは同国の景気に減速の兆しが見られることから、短期的には足踏みするとみている。なお、足元では新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の抑制がサプライチェーンを直撃している。当面は、生産調整によって日本からの自動車関連財の輸出が鈍るリスクに留意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2021年7月貿易統計
EU向け輸出が大幅増も米国・アジア向けが鈍化し輸出数量は減少
2021年08月18日
-
2021年6月貿易統計
米国向けが好調も4-6月期の純輸出は前期から減少
2021年07月21日
-
2021年5月貿易統計
輸出数量は中国向けが減少も、欧米向けが好調
2021年06月16日
同じカテゴリの最新レポート
-
先進国の産業政策の新潮流
~問われる政府の役割と高市政権の成長戦略への示唆~『大和総研調査季報』2026年夏季号(Vol.63)掲載
2026年07月27日
-
2026年6月全国消費者物価
資源高等により、4カ月連続でエネルギー価格のマイナス幅が縮小
2026年07月24日
-
2026年6月貿易統計
輸入金額は過去最大/4-6月期外需寄与度は+0.3%pt程度を見込む
2026年07月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

